性病事典 l(C)泌尿器科専門医・指導医 澤村正之
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性病事典トップページ疾患別解説(クラミジア)尿道炎の臨床的分類・・
■ 尿道炎の臨床的分類
 男性では尿道炎、前立腺炎、精巣上体炎(副睾丸炎)を、女性では膣炎、子宮頚管炎、子宮内膜炎、卵管炎、腹膜炎を引き起こす病原体としてよく知られている淋菌とクラミジア。この二つは症状が似ているのに治療方針がまったく異なりますから、初診時にどちらかを決めなければ話が先に進みません。それなら「淋菌にもクラミジアにも両方に効く」薬をどんどん使えばいいじゃないか。そう考えても不思議ではありませんね。しかしニューキノロンを乱用したために耐性淋菌をはびこらせてしまい、一部のニューキノロンはクラミジアにも効きが悪くなってきています。経済的な理由でクラッシックな薬を使っていたアジア諸国ではかえって淋病は減っており、日本の事情はお粗末というしかありません。

 
検査結果を待っていたら治療の最初の機会を失ってしまうから、性病を診療する医師は最低限この二つの違いを臨床検査に頼らずにできなければなりません。

  学問的には尿道炎は淋菌性感染症・性器クラミジア感染症・非淋菌・非クラミジア感染症に3つに分類されます。しかしこの分類は検査結果による分類です。つまり結果が出るまで何日もお預けですから臨床的にはあまり役に立ちません。男性尿道炎では約半数が淋病でもクラミジアでもない原因菌が占めています。これらの多くはマイコプラズマ・ジェニタリウム、ウレアプラズマ、大腸菌、黄色ブドウ球菌、ヘルペスなどのウィルスなどによるものです。こんなに大きな部分を「その他大勢」で片付けてしまう分類には臨床家としてはかねがね疑問を持っていました。

 そこで著者は臨床症状と治療方法によって「膿性尿道炎」「しょう液性尿道炎の二つに分けました。膿性尿道炎はほぼ淋病に、しょう液性尿道炎はほぼクラミジア性尿道炎に一致しますので、治療に迷いが生じずその結果治療効果の向上に役立つと考えています。


尿道炎の臨床的分類 (著者のご提案)

 
膿性尿道炎
しょう液性尿道炎
原因菌
淋菌・大腸菌・黄色ブドウ球菌・他
クラミジア・マイコプラズマ・ウレアプラズマ・他
ウミ
黄色・多量・粘稠性(ドロドロ)
透明〜乳白色・少量・しょう液性(サラサラ)
痛み
弱い>強い
強い>弱い
痛みの強さなど、自覚症状は患者様によってそれぞれ感受性の違いがありますから、一概には言えません。
上記は大まかな目安とお考えください。
潜伏期間
短い(当日〜10日以上)
少し長い(当日〜1ヶ月以上)
尿道炎の潜伏期間はヒトに感染した菌体の数によります。一度にたくさん入ればその日のうちに、少なければ数日から数ヶ月かかって症状が出ることがあります。気がつかないうちにパートナーに移して、パートナーの体の中で繁殖した病原菌をもらい返すケースが意外と多いのです。
検査
顕微鏡>培養>PCR
PCR(遺伝子増幅法)>顕微鏡
治療
短期決戦型(注射1回〜)
長期戦型(内服2週間以上)
治療薬
ロセフィン・トロビシン・オーグメンチン
ガチフロ・クラリス・エリスロマイシン・ジスロマック
使ってはいけない薬
ニューキノロン・セフェム・ジスロマック*
ペニシリン・セフェム・ミノサイクリン**

*  欧米では淋菌にジスロマックを使いますが日本の倍量を投与しています。効果がないわけではありませんが、日本の保険制度の範囲内で中途半端な使い方をされると耐性菌ができてしまいますので使ってはいけない薬に入れました。

** 
ミノサイクリンは淋菌とクラミジアに有効ではありますが、製造メーカーによって効果の差が激しく異なるので使ってはいけない薬に入れました。



 上記は著者が日常の臨床で利用している分類ですので、学問的な分類や治療薬も異なりますので医療機関では上記の点をよくご理解のうえご参照くださいますようお願いいたします。当院の患者様以外の治療効果に関しまして当院と著者はいっさいの責任を負いませんのでご了解ください。

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<CONTENTS>
知ってても損はない淋病のウンチク
 淋病の歴史
 淋菌の仲間たち
 耐性淋菌はどうやってできるのか 
淋病の顕微鏡検査(最新は最良か?)
淋病治療の大原則
尿道炎治療のNG特集
   
クラミジアの症状(男女比較)
クラミジアで起こる病気 
クラミジアの治療に時間がかかる理由
 クラミジアの治療原則
淋菌とクラミジアが合併するときの治療方針
クラミジア検査結果の読み方
尿道炎の臨床的分類(提案)
性病事典TOP疾病別解説尖圭コンジローマ
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