尖圭コンジローマの治療

 

性器周辺のイボには、尖圭コンジローマの他にも,伝染性軟属種、真珠様小丘疹、フォアダイス、毛包炎、脂肪腫、粉瘤、寄生虫、思い過ごし。。。などなど、い ろいろあって判断が難しいことがありますが、専門医ならたいていの場合診断は見るだけで十分です。肉眼では区別がつかない場合はダーモスコープという特殊 な器具を使って毛細血管レベルで確認しますが、これも全く痛くはありません。

尖圭コンジローマの症状

尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルス(HPV)6型および11型によってできる皮膚良性腫瘍で,性器周辺の皮膚,粘膜に発生します。好発部位は,男性では陰茎軸部,特に環状溝(亀頭の根元の窪んだ部分)や包囲反転部に多く,ほかに陰茎根部,陰毛部、ソケイ部、陰嚢(睾丸の袋)、会陰部(陰嚢と肛門の間)、肛門周囲にもできます。女性では膣前庭部(クリトリスを0時として6時方向)、大陰唇周辺、会陰部に好発して、まれに膣粘膜や肛門周囲にできることもあります。

大きさはごま粒大から米粒大程度のものが10個未満程度のことがほとんどですが,時として巨大で、数えきれないほどたくさんになって広範囲に広がることもあります。形もさまざまで、教科書的には「鶏冠(とさか)状」と言われますが,実際にはそのような形は少なく,粒状,苔状、塊状であることがほとんどです。それぞれのタイプによって少しづつ治し方が異なりますので、尖圭コンジローマを疑ったら専門医にご相談されることをお勧め致します。

尖圭コンジローマの治療

尖 圭コンジローマはヒトパピローマウイルス(HPV)による感染症です。単なるイボとしてではなく、ウイルス感染症と考えないと再発を繰り返してしまいます。当院ではウイルスの免疫賦活療法(ベセルナリーム) をお勧めすることが多いのですが、一つの治療方法にこだわらずに,患者様の都合や、治療経過によって冷凍凝固法や外科的切除(手術)等も含めた総合的に治療方法を選んでいます。 当院は世界的に比較しても有数の症例経験をもち、多数の論文、教科書の執筆や医療関係者向けの講演会などの実績がありますので、日本国内はもとより、海外からも受診される患者様も少なくありません。軽症例から重症例まで対応して高い評価をいただいていま す。

タイプ別治療選択例(症例によって異なるので、必ずしも下記と同じではありません)

① 小さくて数が少ないタイプ: 第一適応は冷凍凝固法ですが、再発を繰り返す場合には免疫賦活療法(ベセルナCr)や,外科的治療として、局所麻酔を皮下に注入して周辺皮膚からイボを持ち上げて、リング鉗子を使って、真皮層を含めた深さで切除し,周囲を電気凝固で止血して,再発予防を行います。不用意にレーザーを使うと,ウイルスが周囲に飛び散るのでかえって広がってしまう危険がありますから,当院ではよほど特別な症例をのぞいてレーザーを使いません。

② 小さいが広い範囲に散らばるタイプ: 主に免疫賦活療法(ベセルナCr)をお勧めしていますが,このタイプは治療経過が長く,再発しやすいので,途中から冷凍凝固法や外科的切除に切り替えることもあります。

③ 大豆大以上の塊状: 外科的切除の中でも,電気メスのループ電極を使った切除方法や、周辺の性状皮膚も含めてメスで切開して切除する、いわゆる「皮膚腫瘍切除術」を行います。症例によっては冷凍凝固法やベセルナCrを使う場合もありますが,治療期間や治療効果の面であまりお勧めしない場合が多いです。

④ 苔状に広範囲に広がるタイプ: ベセルナCrが第一選択になります。従来行われてきた抗がん剤(ブレオマイシン、5FU、ポドフィリン)塗布は、健康保険の適応外で,日本性感染症学会のガイドラインからも既に削除されていますから,当院では行いません。ただし、抗がん剤やインターフェロンを使用しなければ治せない症例もごくごくまれには存在するかもしれません(おそらくコンジローマではない、悪性疾患のはずです)ので,その場合は、大学病院やがんセンター等に治療をお願いすることのなるでしょう。

⑤ 尿道口にできるタイプ: ここにできる場合はパピローマウイルスの中でもハイリスクタイプであることがあり,今まで高率に悪性腫瘍を経験してきましたので,外科的切除しか選択肢がありません。その方法も,腎臓移植の技術を応用したDolphine's Operationがもっとも再発しにくく、術後の痛みや排尿状態への影響も最小限ですが、難易度が高いため大学病院から当院に依頼していただくケースも少なくありません。

⑥ 肛門周囲にできるタイプ: 薬が塗れる範囲ならベセルナCrを使いますが,目で見て直接塗れない場所ですとベセルナCrは効果が出ませんので、肛門周囲は他の場所に比べて治療成績が悪いです。また、肛門管内には薬が塗れないので、肛門科で外科的切除をしていただくしか方法がありません。肛門性交をされる方に多く発病するので,約20%の症例でHIVが合併しています。当院では感染者差別をしませんが、外科的治療の場合は感染症基幹病院にご紹介致します。また必要に応じてHIV検査をさせていただく場合がございますから、感染のある方はあらかじめお伝えいたきますようお願い致します。

 

もっと詳しい情報は「性病事典」または「講演会のお知らせ」をご覧ください。

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