日経メディカルに紹介されました

投稿日:2010年5月25日|カテゴリ:お知らせ

医師のための雑誌「日経メディカル」7月号に当院の研究成果が紹介されました。この研究は順天堂大学感染制御科学菊池賢准教授との共同研究で、昨年日本泌 尿器科学会総会で発表し、西日本泌尿器科学会総会で教育講演に取り上げられました。男性尿道炎の診断と治療には、臨床的な経験が必要ですが、あまり経験の ない医師でも専門医と遜色がない判断ができることを目指して「失敗の少ない男性尿道炎の治療モデル」を提案しています。

クラミジア感染症は、もともと自覚症状のない方も多く、間違った治療や不十分な治療をされても患者様は気づかずに治ったと思われているケースが多い疾患で す。そのため当院では大学病院と共同研究をしてクラミジア感染症の適切な治療ができるよう努力してまいりました。

学問的には90%の治癒率がある治療方法はとても有効ですが、臨床の現場では残りの10%を出さないように常に気をつけて治療しています。また、学問的に は「正確な検査」というのは「他の細菌をクラミジアとまちがえて陽性になること(疑陽性)」を少なくするために「クラミジアがあるのに検査が陰性になるこ と(偽陰性)」を大目に見る傾向がありますが、臨床の現場では偽陰性で見逃しがでることは許されません。

学問と臨床の現場ではこのように考え方が大きく違います。このようなことを踏まえて一般臨床医がよく読む専門雑誌「日経メディカル」の取材に協力いたしました。 7月10日号に掲載されました。

この治療モデルは、従来淋菌とクラミジアしか考慮しない傾向にあったものを、それ以外の細菌も含めて、症状別に細菌の出現頻度を求め、各時点における最も 有効な治療薬を選択するという、画期的なものです。日経メディカルは学術雑誌ではありませんので、残念ながら本研究の一部しか掲載できませんでした。今後 講演会や学会発表を通じて広く普及できるよう努力してまいります。