2006年度STD臨床統計

2006年1月から12月まで当院で診断したSTDの臨床統計を発表いたします。初診例のみの統計ですので再診や再発例は含みません。確定診断がついた症例のみを集計いたしました。法律(感染症法)により医師には届出義 務がありますので毎月新宿保健所に報告しておりますが、個人情報は一切公表しておりませんので患者様各位におかれましてはご了解のほどをお願い申し上げます。このデータは厚生労働省STDサーベーランス事業の一環として、全国的な統計と疾病拡散予防のために活かされています。

男性の症例が1172例と多く、男性症例に限ると東京都が集計したSTD症例の4分の1強が当院のデータでした。女性も138例と、決して少ない数ではあ りませんでした。男女ともにクラミジア、淋菌感染症が多いのは、全国統計と同じですが、女性での淋菌検出率が高いのは特に検出感度が高い検査を行っている ためです。

性器ヘルペスと尖圭コンジローマが年々増加しています。性器ヘルペスは昨年再発抑制療法が保険適用になった影響もあるので、実数が増えているかどうかは今後の検討が必要です。

これに比べて尖圭コンジローマは確実に実数が増えています。最近の傾向として亀頭部や尿道口によく見かけるようになりました。このような部位は以前はあまりなかった場所です。コンドームの使用率低下による影響が考えられます。

性器ヘルペスも尖圭コンジローマもコンドームの使用である程度予防できる病気ですので、STD予防の観点からコンドームのご使用をお奨めしております。

梅毒は近年増え続けています。研究によると梅毒とHIVが合併することが時々見られるそうです。

  総数 男性 女性
STD症例 1310 1172 138
クラミジア感染症 282 235 47
淋菌感染症 229 205 24
非淋菌・非クラミジア感染症 457 429 28
性器ヘルペス 158 136 22
尖圭コンジローマ 161 145 16
梅毒 23 22 1