「性病科」選びのポイント

投稿日:2012年1月20日|カテゴリ:基礎知識
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「性病」は平成12年に廃止された性病予防法に記載されていた疾患です。性病予防法に記載されていた「性病」たちは、新感染症法では第5類感染症に分類されましたから,そもそも「性病」は死後です。性病科」という診療科目は、医療法で医療機関が広告に使ってよいとされているものの、医学部にはそのような専門分野はありません。今は尿路性器の感染症として科学的根拠に基づいて診療されるべきです。当院は「性病科」ではありませんが、性感染症を泌尿器科、皮膚科的感染症として対応しております。
 

性病と性感染症(STD/STI)の違い

性病とかSTDとか(時によってはSTI)、呼び名は違ってもあまりかかりたくない病気であることには変わりありません。そもそも性病とSTDはどう違うのでしょうか。 STD(性行為感染症)とはSexually Transmitted Disease(性行為でうつる病気)の略。これに対して性病は、狭い意味では昭和23年(西暦1948年)にできた性病予防法に書かれた病気です。古典的な性病は、淋病・梅毒・軟性下疳・これにクラミジア感染症が加わります。一方性行為感染症(STD)は、「性行為でうつる病気であればなんでもあり」ですから、子供によくできる水イボ、これだって性行為でうつればSTD(性行為感染症)のなかまになるのです。 なぜこのような分類に変わったかというと、 第1に病気を規定していた性病予防法が廃止になったから(平成12年)。第2にいろいろな病気が性行為でうつることがわかってきたから、古典的な性病の考 え方が実情に追いつかなくなったからです。そもそも性病科という講義は医学部にはありません。性器の感染症として婦人科や泌尿器科で講義しています。しかし、日本ではまだまだSTDというよりも性病のほうが多くの人がよく知っているので、このホームページではSTD(性行為感染症)と「性病」をほぼ同義語として使っています。最近ではSTD(性行為感染症)のことをSTIと表現することもあります。それぞれに意味はあるのですが、専門家でなければこだわる必要はありません。


性感染症として気をつける病気

性行為でうつる可能性のある病気(STD)としては、淋病や梅毒のほかにも、今話題のクラミジア、ヘルペス、そしてAIDSなどがあります。これら有名な病気は誰でもSTD(性感染症)だと知っていますが、これらのほかにも伝染性単核球症、B型肝炎、尖圭コンジローマ、トリコモナス、マイコプラズマ、ウレアプラズマ、赤痢、などなどいっぱいあるのです。子供がよくなる水イボであっても、性行為によってうつれば、これもSTDの一種と考えます。 こうやって考えるとSTD(性感染症)は意外に身近にある病気です。性感染症を早く治したいなら、正しい知識を持った専門医を受診しましょう。専門医と は、看板に「性病科」と書いてあることではありません。泌尿器科や婦人科のドクター、あるいは耳鼻科や内科であっても、正しく性病を理解して治療してくれ る人のことです。

STDは感染経路による疾病分類。法律で定められた性病とは根本的に異なります。
以前は性病予防法があって、売春などによって性行為を人に移せば3年以下の懲役、2万円以下の罰金が科せられていました。非常に時代錯誤的な法律でした が、少なくとも性病予防の役にはたっていましたが、平成12年に廃止され今では事実上野放し状態になってしまったことは残念です。性病予防法が廃止はされ ましたが、自分が性病にかかっていて、人に移すことを承知で、何も予防処置をしないで性行為をして、相手に移してしまったとしたら、傷害罪に問われる可能 性はあると考えます。
性行為でうつる可能性のある病気(STD)としては、淋病梅毒のほかにも、今話題のクラミジアヘルペス、そしてAIDSなどがあります。これら有名な病気は誰でもSTD(性感染症)だと知っていますが、これらのほかにも伝染性単核球症B型肝炎尖圭コンジローマトリコモナスマイコプラズマウレアプラズマ、赤痢、などなどいっぱいあるのです。子供がよくなる水イボであっても、性行為によってうつれば、これもSTDの一種と考えます。
城西4地区合同皮膚科医会(2004年6月)の講演スライドから引用


最近注目されている性感染症

クラミジアや淋病といった古典的な性病は、若い世代で少しずつ減る傾向にあるようですが、その反面中年以降で増えています。

オーラルセックスなど感染経路の変化によって今まで考えられなかった場所に性病が感染するようになりました。かつてはのどからクラミジアや淋菌が検出され るのは性風俗に勤める方ぐらいでしたが、今は一般の方からも時々見つかるようになってきました。のどの性病は、まだまだ数は少ないのですが、それほど珍し くもなくなってしまいました。

著者が今注目してているのは尖圭コンジローマ性器ヘルペスで す。性器ヘルペスも尖圭コンジローマも、最近亀頭部周辺や尿道の出口付近に目立つようになってきました。この部位の皮膚は薄くて、症状が激しく、治療しづ らいのが特徴です。この場所への感染はコンドームさえしていれがかなりの確立で防げるはずです。しかしコンドームの出荷量がここ10年で半減しているよう に、コンドーム離れは年々加速する一方です。コンドームを使わなくなった理由は第一にエイズに対すつ恐怖が薄れてしまったこと。第二にピルの解禁によって 避妊具としてのコンドームの地位が下がったこと。そして性教育の現場でコンドームを積極的に取り上げないことが考えられます。

性器ヘルペスと尖圭コンジローマは
全国統計ではまだまだ報告数が少ないのですが、新宿で診療している著者の所や、首都圏で診療している仲間の医師たちから、「最近とても増えていて、しかも治療が難しいものが多くなった」との声がよく聞かれています。(臨床統計は「性病患者はどれくらいいるのか」をご覧ください。)

 尖圭コンジローマを引き起こすヒトパピローマウィルス(HPV)のなかには、10-20年にわたってがんを引き起こす性質を持ったタイプのものがありま す。著者の友人の婦人科医から、「若い世代で子宮頚管部の異型性をよく見かけるようになった(子宮の入り口付近にがんになりかけの細胞が見つかった)」と 聞かされています。
近年HPV
予防ワクチンが開発され,実用化されています。中学3年生には公費で無料接種できますから,是非接種することをお勧め致します。