クラミジア基礎知識

投稿日:2010年6月8日|カテゴリ:バックナンバー
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クラミジアで起こる病気

性器クラミジア感染症はクラミジア・トラコマティス(C.Trachomatis)という細菌が原因でおきる炎症性疾患です。クラミジアは細菌とウィルスの中間ぐらいの大きさで、光学顕微鏡で見ることはできません。クラミジアは性病ばかりではなく、結膜炎や肺炎の原因にもなります。ただし肺炎を引き起こすクラミジアはおもにC.Pneumoniae(肺炎クラミジア)が原因であって、小児と高齢者の間で咳による飛沫感染で広がります。性器クラミジア(C.Trachomatis)による肺炎は、出産のときに母体の産道から新生児に感染し、生後3ヶ月以内に発病する新生児肺炎です。尿道炎にかかる年代のひとにはクラミジアトラコマティスが原因で肺炎になることはほとんどありません。

クラミジア・トラコマティスは、その名のとおり昔はトラコーマ結膜炎の原因として有名でしたが、現在ではトラコーマ結膜炎を引き起こすクラミジアと性器 感染症を引き起こすクラミジアはタイプが別のものだといわれています。トラコーマ結膜炎は衛生状態の悪い国にしか見られません。同じ名前で呼ばれています けれども、流行性結膜炎を起こすクラミジアトラコマティスのタイプ(血清型)はAからCであり、性器クラミジア感染症を起こすものは血清型がDからFとさ れ、区別されています。

現在日本でみられるクラミジア性結膜炎は、血清型D〜Fのものが原因しています。性器を触った手で目をこすったり、感染者が使用したタオルで顔を拭くなどによって起こしますから典型的には利き腕側に発病します。最近ではのどの感染から鼻涙管を伝って眼に症状を表すこともあり、利き腕と反対側や両目に感染するケースも増えてきました。クラミジアに限らず性病は目に症状を起こすことがよくあります。性病治療中に目に異常を感じたら、すぐに眼科を受診しましょう。そして性病の治療中であることを病名や治療薬のことなどできるだけ正確に眼科医に伝えてるようにしてください。

クラミジア・トラコマティスは、以前は第四性病ともいわれたソケイリンパ肉芽腫の原因菌にも数えられていましたが、今は別のタイプのクラミジアであることがわかり、区別されています。この病気も日本ではほとんど見られなくなっています。